食べ物の美味しさを他人に伝えることは難しい
「おいしい!」
という言葉は個人の主観的な印象に基づくもので
どのようにおいしいかを他の人が理解することは
自分の判断の中で「おいしいんだろうな」
と想像するしか無い
まして「おいしい」ということを表現する語彙は全く少ない
音楽も似たようなものではないのか
心地よいとか感動したとか
なるほど多くの人が同じような印象を持つから
(話を聞くと)なんとなくみんな一緒のような気がするが
その個々の印象は個人のそれまでの経験が大きく影響するから
簡単に同じ経験・印象とは言えない
そして音楽のことを語るのに、音楽以外の「言葉」を
使ってコミュニケーションすることの難しさがそこにはある
音楽は、多分、音楽家同士なら「言葉」を使わなくても
音楽自体でコミュニケーションできる
それはまるで言葉を使った会話のように
こんな風にややこしいことをグダグダと連ねたのは
何十年ぶりにこの本を読んだから

1990年に初版、自分が購入したのは3版
半世紀前のこととなる
シングル、アルバムの発売順に一曲ごとに個人の主観を交えて
丁寧に紹介されている
ここで思ったことが最初で取り上げた音楽のことを「言葉」で語る難しさ
ビートルズの音楽は純音楽でないので大半は歌詞がある
そして言葉を用いて音楽を紹介するのには、どうしてもこの歌詞の部分を
大きく取り上げることになる
歌詞の意味、その裏に隠された真意、等など
こうした部分の解説が多い
でも歌詞はデタラメ、いい加減でも音楽がなっている瞬間は
とても幸せな気分にしてくれる音楽も明らかに存在する
そうした音楽のことを、
この厚い本でもやっぱり書ききれていないな
というのが印象
話は飛躍して(いつものことだが)左利きのタレ目の音楽馬鹿
ビートルズの一員だった彼は
その歌詞があまりにも他愛ないもののせいで
インテリとされる人々から過小評価される
でもモーツァルトのアリアにしたって
その歌詞は意味を追っていくとそんなに深いものではに事が多い
モーツァルトは音楽は音楽だけで評価される
この評価が今年武道館でライブを行った音楽馬鹿にも
同じようにされているかといえば、、、
この本を読むとポールが音楽的に徐々に進歩していく様子がわかる
そして向いていく方向の違いがそれぞれ違ってきて
解散するのはやむなしといったところも
なんとなく想像がつく
(もっとも解散した後で書かれているので、そのように記述されているかもしれないが)
せっかくだから、今日はLPを引っ張りだして
この本で書かれた部分に注目しながら聴いてみるか!